2016年03月12日
続・『竜宮都市ゴーヘイ』

【俳優というのは選ばれた存在であり、誰もがなれるわけではない。というのが演劇に関わりだしてからずっと自分の信条としてあります。当然俳優はそういう存在になるために日々の血のにじむような訓練をしています。人前に立つのはそんなに簡単なことではありません。】
『竜宮都市ゴーヘイ』のパンフより作者コメント部分転載。
実際観劇させてもらったり練習風景を見させてもらって、私がやってることとは畑が違いますがほんとに学ぶものが多い。
だから毎回心底すげぇなって感想になる。
『竜宮都市ゴーヘイ』最終日行って来ました。
見る側として前回よりもさらに余裕があったのでもっと楽しめました。ゼロソーのみなさんお疲れ様でした。
このお話を純粋に演劇としてみた時に叩かれたりもするだろうなとも予想はできる。私は演劇素人なのでもちろん遊園地のアトラクション気分で見ました。それも正解で間違ってないと思うから。
見てる側はただ裏切り者を探すことを考えてればいいんですけど、これだけでも随分頭使うのに、終わってから俳優さんたちとお話してると、自分の敵味方探りながら、見ている人にゲームルールが分かるように説明入れたり、どういう結末が一番盛り上がるかも考え誘導し、当たり前の話ゲーム以外の多数用意されてる結末部分のセリフを全パターン覚えているということがわかった。
僕は最近よくこのことを思う。自分が見ている景色は自分の物語であって、自分の意志によって自分で見ていると思っているけれども、実はそのすべての物が自分以外の誰かの意志によって見せられているってこと。
見えているすべてのものに誰かの意志があるんだなぁって感じてなんとかそこに自分の感情も載せたりできたらいいなぁと思う。
ここで今回のお話で私がわかる部分を書きます。私が別ブログでライフワークとしてきた故郷『牛深』(原作者も同じ)に関係してきます。
題名である『竜宮都市』ですが牛深にはいわゆる『竜宮伝説』があって龍仙島という島が国の天然記念物に指定されてます。
そして『ゴーヘイ』。劇中でも出できますが、『go ahead(前へ進め)』が日本語なまりになってゴーヘイと言われている。
牛深のどこで使われてたのかというと、文字通り出港する際に使われる。それとは逆に港に入ってきた際はバックで着岸するため『Go astern(船尾へ、後ろへ)』がなまってゴスタンと船乗りじいちゃんも言っていた。
それとは関係ないかも知れないけど、熊本出身のマンガ家江口寿史を原作者も好きだったからそのマンガの題名『Go ahead!! 』からもインスピったかもしれませんが聞いてませんのでわかりません。
『青い屋根が山の斜面に光ってキレイ~自転車で降りる』みたいなところのセリフ。これも牛深の丘から眺めた景色の事でしょう。
牛深についてもっとあるとは思いますが、気がついたのはこれぐらいでした。
演劇なのでツッコミはしませんが、私の立場から念のため内容について書いておきます。
いわゆるテロが正義と言われ、(あくまでも劇中のお話ですよ)フェイスブックではいいね!をしたとなっている。←ココ
現実では、いかなる理由があっても力による現状変更はあってはなりません。ましてやいいねなんてしたらダメです。
きちんとアンチテーゼになってれば良いんですけど、少し心配してます。
だから裏切り者側が勝ったほうが、私は内心ほっとしてたのでしょう。
日本は法治国家なので何かを変えたい時には政治しかありません。
ちょうど、熊本では3/27日に県知事選挙が行われます。みなさん必ず選挙に行って自分の意志表明を致しましょう。
↑なんだ?この締め方w
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今回の『竜宮~』も今描いている『チッタ~』のようにいつの日かマンガ化する日が来ると思います。ライヤーゲームみたいでおもしろんじゃ?って漠然と思ったりしてます。
そのいつか来る日のために、もちろんアトラクション気分で見たとは上に書きましたが、演劇部分もしっかり見てますよ。
畑は違いますが、演技は絵の資料の宝庫であるのは間違いなく、学ぶものが多いというのはこういう理由のためです。
私が演劇から学ぶ演劇の凄い点を実際今描いてるマンガで公開します。どうやってマンガが作られているのか興味ある人見てみてね!
次にお見せするのは『チッタ~』の終盤の1シーン。ここでの状況を少し説明すると、主人公チッタチッタがおでこを見せるというのがキーポイントになっている場面で、もちろん次のページではおでこを見せてるカットになるのですが、右側が修正前です、左はまだ見ないでください。

右のネームを描いたところで、右下真ん中にある①コマの男の子のポーズが決まらなくてどういう身振りをさせたらいいのか?とゼロソー作家に相談したわけなんですよ。
まぁ私が想像する返ってくる答えは『隠さなくていいって』に合う身振り手振りをやってくれる・・・・・・としか思ってなかったら、左の演出が返ってきてびっくりしすぎました。左側を御覧ください。軽くキャッチボールやってたつもりが160kオーバーの豪速球が返ってきて捕球するのに一苦労というねw
男の子のクソダサイいいねポーズなくして、さらに男の子の切ない気持ちとチッタチッタのそれに応える優しい手、チッタ自身の意志でおでこを出す成長。コマ数変わってないのにどんだけ表現すんだよって話。
これが演劇における演出なんすね。もう描いてる俺がチッタチッタをとても可愛く思えてそしてとても切なくて終始泣きそうになりながら描いてます。
みなさんならおなじ質問にどう返すのでしょうか。演劇やばいし、すげぇよ、ほんと。
こんなチッタチッタの物語今春公開。もうしばらくお待ちを。